8月、財布が軽くなるのは悪いことじゃない──「特別出費」との穏やかな付き合い方

お金を整える
8月に入ると、財布のひもが、するすると緩んでいく。

お盆の集まり、手土産、外食、レジャー。それに、つけっぱなしの冷房の電気代。ひとつひとつは納得して払っているのに、月の後半になって残高を見ると、思わず小さく息をのむ。あの給料日前の感覚が、この月はいつもより早くやってくる。

けれど最近は、8月の出費に対する気持ちが、少しだけ変わってきた。使いすぎたと責めるのではなく、「そういう月なのだ」と受け止めたうえで、備え方を変える。この記事では、そんな8月のお金との付き合い方について書いてみたい。

夏の午後、テーブルの上の家計簿と麦茶
毎年来る出費には、毎月の小さな備えを。

8月の出費は「例外」ではなく、毎年来る定期便

8月は、一年の中でも出費が膨らみやすい月だと言われている。夏休みやお盆で人の行き来が増え、外食やレジャーの機会も多くなる。帰省する人であれば、交通費や手土産だけでも数万円になることが珍しくない※1

以前の私は、月末に残高を見ては「今月は使いすぎた」と落ち込んでいた。けれど、よく考えてみれば、8月の出費は突発的な事故ではない。お盆は毎年来るし、暑さも毎年来る。つまりこれは「例外」ではなく、毎年決まってやってくる定期便のようなものなのだろう。

毎年来るとわかっているものは、
「想定外の出費」ではなく、
「想定しておくべき出費」なのかもしれない。

そう捉え直してから、8月の残高に対する焦りが、少しずつ和らいでいった。焦りの正体は、使ったことそのものではなく、想定していなかったことのほうだったのだろう。

「特別出費の枠」を、先に分けておく

では、どう備えるか。私がやっているのは、以前お金の整え方の記事で書いた「見える化」の、8月版のようなことだった。月初めに、この月ならではの出費をざっくり書き出して、普段の生活費とは別の枠として扱う。

枠の中身は、たとえばこんな具合になる。

8月の「特別出費の枠」の例
  • お盆関連 — お供え、手土産、親戚との集まりの費用
  • 夏のつきあい — 外食、レジャー、友人との予定
  • 季節の生活費 — 冷房の電気代、夏物の買い足し
  • 帰省費用 — 帰省する場合の交通費・宿泊費

金額は厳密でなくていい。「今月はこのあたりに、普段より2〜3万円は出ていく」と先に見込んでおくだけで、実際にお金が出ていったときの心の揺れがまるで違ってくる。想定内の出費は、焦りにならないからだ。

人に使うお金は、削りすぎない

節約を意識すると、真っ先に削りたくなるのが「人に使うお金」かもしれない。手土産の値段を下げる、集まりを断る、お祝いを簡素にする。たしかに、削ろうと思えば削れる部分ではある。

ただ、ここは少し立ち止まって考えたい。以前の職場で、こんな言葉を教わったことがある。

現場で教わった言葉
ギブ & ギブ & ギブ & ギブ & ギブ & テイク。

ギブ・アンド・テイクではなく、ギブを五つ重ねてから、テイクがひとつ。見返りを期待して一つ与えるのではなく、その五倍くらい、先に人へ与えられる人になりなさい——そういう意味だと受け取っている。当時は仕事の心構えとして聞いた言葉だったけれど、お金の使い方にも、そのまま通じるものがあるのだろう。

風呂敷に包まれた手土産と夏の和菓子
人に使うお金は、消えてなくなるお金とは少し違う。

手土産やお供え、集まりの席で払うお金は、帳簿の上では「出費」でしかない。けれど、それは人とのつながりを保つための、目に見えない何かに変わっている。金額を抑える工夫はしていい。ただ、「人に使うこと」そのものを惜しむようになると、削れたお金より大きなものを失う気がしている。

だから私は、特別出費の枠の中でも「人のための分」は、少し余裕を持たせて見込むようにしている。そこは削る場所ではなく、むしろ大切に使う場所なのだと思う。

電気代は、我慢して削らない

もうひとつ、8月に削ってはいけないのが冷房の電気代だと思っている。

電気代を気にしてエアコンを我慢すると、体調を崩したり、夜眠れなくなったりする。夜間の熱中症も報告されていて、環境省の熱中症予防情報サイトでも室内での注意が呼びかけられている※2。数千円を節約した代わりに体調を崩してしまえば、失うものはお金だけでは済まない。

眠りが浅くなれば日中の集中力も落ちて、仕事にも暮らしにも響いてくる。夏の電気代は「削る対象」ではなく、「体を守るための必要経費」として、最初から特別出費の枠に入れておくのがいいのだろう。以前書いた夏の睡眠の記事でも触れたけれど、エアコンはつけたまま眠るほうが、結果的に体のためになる。

来年の8月のために、今からできること

そして、今年の8月が終わったら、ひとつだけやっておきたいことがある。今月、特別出費が実際にいくらだったかを、ざっくりでいいので書き留めておくことだ。

その金額がわかれば、来年は12で割って、毎月少しずつ積み立てておける。月に数千円を「8月のため」と名前をつけて分けておくだけで、来年の夏は、残高を見て息をのむ回数がきっと減る。毎年来る定期便には、毎月の小さな備えで迎え撃つのがいちばん穏やかなやり方なのだと思う。

今年の8月の記録が、
来年の8月の自分を助けてくれる。

まとめ

この記事のまとめ
  • 8月の出費は「例外」ではなく、毎年決まって来る定期便。想定しておけば焦りは減る。
  • 月初めに「特別出費の枠」を書き出し、普段の生活費と分けて見込んでおく。
  • 人に使うお金は削りすぎない。つながりを保つための、大切に使う場所。
  • 冷房の電気代は体を守る必要経費。我慢して削らない。
  • 今年の特別出費を記録しておけば、来年は毎月の積み立てで穏やかに備えられる。

お金が出ていく月は、責める月ではなく、人とのつながりや自分の体に、きちんとお金を使えている月なのかもしれない。そう思えるようになってから、8月の残高との向き合い方が、少しだけ楽になった。

姉妹サイト「一人暮らし快適ライフラボ」もおすすめ
一人暮らしをもっと豊かに、快適にするヒントを発信しています。ぜひのぞいてみてください

コメント

タイトルとURLをコピーしました