学校の勉強は苦手だったのに──大人になってからの「学び直し」が楽しい理由

大人の学び直し
学生時代、勉強はあまり好きではなかった。テストのため、進学のため、誰かに比べられるための勉強は、いつも少し苦しかった。

それなのに、大人になった今、自分から何かを学ぶことが、前より楽しいと感じている。同じ「学ぶ」という行為なのに、何が違うのだろう。

副業のために文章を書く方法を調べたり、お金の仕組みを学んだり、昔の思想家の本を読んだり。気がつけば、仕事や暮らしの合間に、何かを学んでいることが増えてきた。誰に言われたわけでもなく、評価されるわけでもない。それでも続いている。

この記事では、大人になってからの「学び直し」について、私自身が感じてきたことを書いてみたい。

学校の勉強と、大人の学びは何が違うのか

学校の勉強がどこか苦しかったのは、「やらされている」という感覚があったからだと思う。決められた範囲を、決められた時間で、点数のために覚える。自分の興味とは関係なく、カリキュラムが先にあった。

大人になってからの学びは、順番が逆だ。「これを知りたい」という気持ちが先にあって、そこから学びが始まる。家計を整えたいからお金の本を読む。文章がうまくなりたいから書き方を調べる。出発点が自分の中にある。

学校の勉強は「答えに向かう」ものだった。
大人の学びは「問いから始まる」もの。
その違いが、楽しさの差なのかもしれない。

誰かに評価されるためではなく、自分の暮らしを少しよくするために学ぶ。その実感があるから、覚えることが苦にならない。むしろ、知るたびに世界が少し広がる感覚がある。

学び直しに「遅すぎる」はない

「今さら学んでも遅い」という気持ちが、どこかにある人は多いと思う。私もそう感じていた時期がある。学生の頃にもっと勉強しておけば、という後悔のような感情。

でも、大人の学びには、若い頃にはなかった強みがある。それは「経験」という土台だ。働いてきた経験、暮らしの中で感じてきたこと、お金で苦労したこと。そういった実感があるからこそ、本に書かれていることが「自分ごと」として入ってくる。

たとえば石田梅岩の「倹約とは分を知ること」という言葉も、お金で悩んだ経験があるからこそ、深く響く。若い頃に読んでも、きっと素通りしていただろう。学びは、人生経験と掛け合わさることで、意味が変わってくる。

大人の学びがもつ、3つの強み
  • 経験という土台があり、知識が「自分ごと」になりやすい
  • 必要に迫られて学ぶため、身につきやすく忘れにくい
  • 評価のためでなく自分のために学ぶので、純粋に楽しめる

忙しい毎日に、学びを組み込む工夫

とはいえ、仕事をしながら学ぶ時間を作るのは簡単ではない。私自身、まとまった時間が取れることはほとんどない。だから、大げさな「勉強時間」を確保しようとするのはやめた。

代わりにしているのは、日常の隙間に学びを差し込むことだ。通勤の移動中に本を少し読む。休憩時間に気になったことを調べる。寝る前の10分だけ、興味のある分野の記事に目を通す。一度に進む量はわずかでも、続けていれば積み重なっていく。

「ちゃんと学ばなければ」と気負うと、続かない。朝の習慣や副業と同じで、ハードルを下げて、できる範囲で続けることの方がずっと大切だ。

一日5分の学びでも、一年続ければ30時間になる。
大切なのは量より、やめないこと。

何を学ぶか、より「なぜ学ぶか」

学び直しを始めようとすると、「何を学べばいいか」で迷う人が多いと思う。資格がいいのか、語学がいいのか、プログラミングか。情報があふれていて、かえって動けなくなる。

でも私は、「何を学ぶか」より「なぜ学ぶか」の方が大切だと思っている。今の暮らしの中で困っていること、もっと知りたいと感じていること。その気持ちを出発点にすれば、学ぶ対象は自然と決まってくる。

私の場合は、お金の不安が「お金の勉強」につながり、副業の必要が「文章の学び」につながった。流行っているからではなく、自分に必要だったから始めた。だから続いている。

学ぶことは、自分を信じ直すこと

大人になってから学び直して、一番大きかった変化は、知識が増えたことではない。「自分はまだ変われる」という感覚を取り戻せたことだ。

歳を重ねると、どこかで「もう自分はこういう人間だ」と決めつけてしまう。新しいことを始めるのが億劫になる。でも、何かを学んで、昨日まで知らなかったことを知る。それだけで、自分にまだ伸びしろがあると感じられる。

学びは、未来の自分への小さな投資だ。お金の投資のように大きなリターンはすぐに来ないけれど、自分への信頼という形で、確実に積み重なっていく。

学び直すことは、知識を増やすこと以上に、
「自分はまだ変われる」と信じ直すことだった。

まとめ

この記事のまとめ
  • 学校の勉強は「答えに向かう」もの、大人の学びは「問いから始まる」もの。
  • 大人の学びは経験という土台があり、知識が自分ごとになりやすい。
  • まとまった時間より、日常の隙間に少しずつ差し込む方が続く。
  • 「何を学ぶか」より「なぜ学ぶか」。自分の必要を出発点にする。
  • 学び直しは、知識以上に「自分はまだ変われる」という感覚を育てる。

学び直しに、特別な準備はいらない。気になったことを一つ調べてみる。それだけで、もう学びは始まっている。今日のあなたの「知りたい」を、大切にしてみてほしい。

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