夏が来る前に、暮らしを少し軽くしておく──梅雨のうちにできる静かな夏支度

備えと季節
雨の音を聞きながら、ふと思う。この長い雨が明けたら、すぐに本格的な夏がやってくるのだろう、と。

毎年、暑さが来てから慌てて扇風機を出したり、衣替えに追われたりしてきた。今年はその前に、少しだけ暮らしを整えておきたい。そんな気持ちでこの文章を書いている。

梅雨のさなかというのは、夏支度を始めるのにちょうどいい時期なのかもしれない。雨で外に出られない日が多いぶん、家の中のことに手をつけやすい。本格的な暑さが来てからでは、動くのも億劫になってしまうから。

この記事では、夏が本格化する前にやっておくと後がぐっと楽になる、暮らしの小さな準備をいくつか紹介したい。どれも特別なことではなく、少しの段取りでできることばかりだ。

雨の窓辺と、夏支度を始める静かな室内
雨の日は、家の中を整えるのにちょうどいい時間になる。

暑くなる前にやると、後が楽になること

夏の支度を「暑くなってから」始めると、どうしても後手に回ってしまう。汗をかきながら衣替えをして、エアコンをつけたら効きが悪くて、あわてて掃除をする。毎年そんなふうに過ごしてきた。

けれど、まだ涼しさの残るこの時期に少しだけ動いておくと、先回りした効果は思っているより大きい。具体的には、たとえば次のようなことが挙げられる。

夏が来る前にやっておきたいこと
  • エアコンの試運転とフィルター掃除
  • 夏物への衣替えと、冬物の収納
  • 扇風機・サーキュレーターの準備
  • 寝具を夏向けのものに変える
  • 冷蔵庫の中を整理して、夏の食材の置き場所を確保する

一度にぜんぶやろうとすると気が重くなるので、雨の日に一つずつ、というくらいの心づもりがちょうどいい。

エアコンは「使う前」にひと手間かけておく

夏支度のなかで、いちばん先にやっておきたいのがエアコンの準備だと思っている。いざ暑くなってスイッチを入れたら、効きが悪かったり、いやな匂いがしたり。そういう経験をした人は少なくないのではないだろうか。

本格的に使い始める前に、フィルターを外して掃除し、一度試運転をしておく。それだけで、夏のはじめの不快さがかなり減る。フィルターにほこりが溜まっていると、冷房の効きが落ちて電気代にも響くと言われているので、ここはひと手間かける価値がありそうだ。

エアコンのフィルター掃除をする様子
使う前のひと手間が、夏のはじめの快適さを左右する。

試運転は、できれば本当に暑くなる前にやっておきたい。もし故障が見つかっても、修理の繁忙期を避けられるからだ。真夏にエアコンが壊れて、業者さんがなかなか来てくれない——そんな事態は避けたいところだと思う。

「段取り八分」で、夏支度はぐっと楽になる

以前、現場仕事をしていた頃に教わった言葉に「段取り八分」というものがある。作業に取りかかる前の準備で、その日の出来の八割が決まる、という意味だ。実際、段取りさえ整えておけば、当日の作業は驚くほどなめらかに進んだものだった。

これは暮らしのなかでも、まったく同じことが言える。涼しいうちに段取りを組んでおけば、当日ならぬ夏本番が、驚くほどなめらかに流れていく。準備の段階で、その季節の過ごしやすさの多くが決まってしまうのだろう。

段取り八分。
準備に八割。当日に二割。
暮らしも、きっと同じなのだろう。

たとえば、衣替えのときに夏物を取り出すついでに、傷んだものや着なくなったものを手放しておく。そうしておけば、夏のあいだ、クローゼットを開けるたびに気持ちが軽い。先回りのひと手間が、後の自分をそっと助けてくれる。

体も、夏に向けて少しずつ慣らしておく

暮らしの支度と同じくらい大切なのが、体の準備かもしれない。梅雨明けの急な暑さは、体にこたえる。まだ暑さに慣れていない体に、いきなり真夏日が来ると、それだけで疲れてしまう。

急に暑くなる前に、体を少しずつ暑さに慣らしておくとよい、という話を見かけたことがある。「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と呼ばれるもので、軽く汗をかく習慣を持っておくと、体が暑さに適応しやすくなるそうだ。

といっても、特別な運動をする必要はない。少し早足で歩く、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。そのくらいのことで、汗をかける体を準備しておく。無理のない範囲で、というのが続けるコツなのだと思っている。

暮らしも、体も、
夏が来てから慌てるより、
来る前にそっと慣らしておく。

完璧な夏支度を目指さない

ここまでいくつか書いてきたけれど、これを全部やらなければいけない、というわけではない。できることを、できる範囲で。それで十分なのだと思う。

雨の日に、エアコンのフィルターだけ掃除してみる。それだけでも、立派な夏支度だ。一つやっておけば、その一つぶんだけ、夏が楽になる。できなかったことを数えるより、できたことを一つ喜ぶほうが、気持ちよく季節を迎えられるのだろう。

長い雨が明けて、青い空が広がる日。そのときに「少し準備しておいてよかった」と思えたら、それでいい。今年の夏が、無理のない、心地よいものになりますように。

まとめ

この記事のまとめ
  • 梅雨のさなかは、家の中の夏支度を始めるのにちょうどいい時期。
  • エアコンは使う前にフィルター掃除と試運転をしておくと、夏のはじめが快適になる。
  • 「段取り八分」──涼しいうちに準備しておけば、夏の暮らしがぐっと楽になる。
  • 体も暑くなる前に、軽く汗をかく習慣で少しずつ慣らしておく(暑熱順化)。
  • 完璧を目指さず、できることを一つやっておくだけで十分。

夏支度は、暑さへの備えであると同時に、これから来る季節を心地よく迎えるための、静かな準備でもあるのだろう。雨の音を聞きながら、今日はどれか一つ、手をつけてみようと思う。

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